
非正規雇用で働いているのは不安。このままフリータのような働き方をしていたらどうなるんだろう・・・
この記事は、次のような方の悩みにお答えします。
十分な貯蓄がなく次のような方
- アルバイトやパート、派遣社員など、一時的な雇用形態で収入が不安定
- フリーターで、将来の不安を感じながらも、脱出方法がわからない方
十分な貯蓄がなく、非正規雇用で働いていることに不安を感じるのは自然なことです。フリーターのような働き方を続けることについて、いくつか考えてみましょう。
もし将来に不安を感じ、現在の状況が危機的であると感じる場合は、フリーターの状況から脱出するために早急な対策が必要です。
フリータを続ける悲惨な結果
何となくフリーターとして働く人もいれば、目的を持ってフリーターを選択している人もいます。私の経験から言えることは、ただフリーターを続けるだけでは将来に困難が待ち受けています。
フリータとは
フリーターという用語には厳密な定義が存在していませんが、一般的には日本の労働市場において、正規の雇用契約ではなく、短期間や非正規のアルバイトやパートタイムの仕事を転々としながら働く若者を指す言葉です。
- 15~34歳
- 女性は卒業者で未婚の者(男性は卒業者)
上記の者で次に当てはまる者をフリータと定義している
- 雇用者のうち勤め先における呼称がパート・アルバイトの者
- 完全失業者のうち探している仕事の形態がパート・アルバイトの者
- 非労働力人口で、家事も通学のしていないその他の者のうち、就業内定しておらず、希望する仕事の形態がパート・アルバイトの者
フリーターは日本特有の言葉であり、他の国や文化において同様の働き方をする人々を指す言葉とは異なる場合があります。
フリータ人口
2022年の役員を除く雇用者5689万人のうち正規と非正規の割合です。


非正規のうち、フリータは132万人(6%)で、前年に比較すると6万人の減少しています。
- 女性:71万人・3万人の減少
- 男性:61万人・3万人の減少
データ出典:総務省統計局
生涯年収の差が大きい・正社員vs正社員以外
「ユースフル労働統計 2022」のデータより、正社員と正社員以外を比較した場合の賃金差(女性)です。
地方で戸建てやマンションを購入できる金額です。
- 高卒:4千7百万円
- 高専・短大卒:3千4百万円
- 大学卒:4千2百万円
データには退職金を含めていないため、退職金のある企業の場合はもっと差があります。
ここでの「正社員以外」は同一の企業で働き続けた場合のため、フリーターではもっと生涯賃金は低くなる可能性があります。
女性のデータです。
差額 | 正社員 | 正社員 以外 | |
---|---|---|---|
高校卒 | 47.6 | 184.0 | 136.4 |
高専・短大卒 | 34.9 | 197.0 | 162.1 |
大学卒 | 42.9 | 240.8 | 197.9 |
参考
男性の雇用形態による生涯賃金差です。
差額 | 正社員 | 正社員 以外 | |
---|---|---|---|
高校卒 | 47.7 | 245.7 | 198.0 |
高専・短大卒 | 38.5 | 242.5 | 204.0 |
大学卒 | 23.3 | 279.9 | 256.6 |
- 正社員:学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金です。(退職金を含めない)
- 正社員以外:学校を卒業してただちに就職し、60歳で退職するまでフルタイムを続ける場合(正社員とは限らない、同一企業継続就業とは限らない)
データ:ユースフル労働統計 2022
企業規模別では規模が大きくなるほど多くなります。
月収の差が大きい・正社員vs正社員以外
生涯年収だと漠然としすぎて実感がわかないかもしれないので月収で比較します。
19歳から70歳までの女性の場合、正社員と正社員以外を比較すると、7万5千円の差があります。都内で一人暮らしの場合の家賃が支払える金額です。
性別 | 雇用形態の差額 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 |
---|---|---|---|
女性 | 75.2 | 270.6 | 195.4 |
男性 | 107.5 | 348.8 | 241.3 |
男女計 | 106.7 | 323.4 | 216.7 |
20代の月収の違いです。20代前半では3万5千円、20代後半では4万3千円の差があります。
年齢 | 性別 | 雇用形態の差額 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 |
---|---|---|---|---|
20~24 | 女性 | 35.5 | 215 | 179.2 |
男性 | 33.6 | 216.6 | 183 | |
25~29 | 女性 | 43.3 | 242.2 | 198.9 |
男性 | 46 | 250.9 | 204.9 |
正社員と非正社員の賃金差は、19歳から60歳までは年齢が上がるほど大きくなります。


賃金格差のデータからわかること
- 収入の不安定性
- 社会的保障の不足
- キャリアの停滞ト
収入の不安定性
フリーターはアルバイトや非正規雇用の仕事を転々とすることが多いため、収入の安定性が低くなります。正社員に比べて給与が低いことや、仕事の期間や勤務時間が不規則であることから、収入の不安定性が生じます。これにより生活費や将来への備えが困難になる可能性があります。
社会的保障の不足
フリーターの場合、社会保険や厚生年金などの社会的保障制度に参加できないことがあります。
これにより、病気やケガ、失業などのリスクに対する保障が不十分になります。また、将来の年金や福利厚生などの制度においても不利な立場に置かれる可能性があります。
キャリアの停滞
フリーターは一時的な仕事や短期の雇用を続けることが多いため、長期的なキャリアの構築が難しいというデメリットがあります。
正社員と比較して、スキルや経験の獲得、昇進の機会が限られるため、将来的なキャリアの発展や収入の向上が困難になる可能性があります。
これらの要素が重なり、フリーターが将来において経済的な困難や社会的な不利益を被る可能性があります。ただし、フリーターの状況や結果は個人や環境によって異なるため、一概には言えません。
重要なのは、フリーターの方々が自身のキャリアや将来に向けて適切なサポートや教育機会を受けることが求められるということです。
フリータのメリットとデメリット
メリットとデメリットとしてあげましたが、メリットでも人によりデメリットにもなることもありますし、またその逆もあります。
メリット | デメリット |
---|---|
自由度が高い キャリア選択の柔軟性 ストレスの軽減 | 経済的に不安定 社会的な評価の低さ 結婚や出産などの問題 |
メリット
自由度が高い
フリーターはアルバイトや短期契約の仕事に従事することが一般的です。
この働き方は比較的柔軟であり、自分の都合に合わせて働くことができます。趣味や他の活動と両立しやすいため、時間の融通が利きます。
キャリア選択の柔軟性
フリーターは複数の仕事や業界に携わることができるため、自身の興味や適性に基づいたキャリアの選択が可能です。将来的なキャリアパスを模索するための時間や自由度があります。
しかし、計画性がない場合は、デメリットになり得ます。
ストレスの軽減
フリーターは一時的な雇用や短期的な契約を結ぶことが多いため、長期的な責任やストレスを抱えることが比較的少ない傾向があります。ストレスが少ない環境で働くことができるかもしれません。
デメリット
経済的に不安定
フリーターは一時的な雇用形態で働くことが多く、定職に就いていないため、社会的な安定感が得られない場合があります。
また、雇用状態によっては、雇用保険や年金などの福利厚生制度の利用が限定的なため、将来の不安も抱えることがあります。
社会的な評価の低さ
フリーターは一般的に「正規の雇用に就いていない」というイメージがあり、一部の人々からは社会的な評価が低くなることがあります。このような偏見や差別に直面することがあるかもしれません。
賃貸物件を借りるときに審査に通りにくいという話も聞きます。しかし、これについては私が長い期間フリータだった20代の頃、審査に通らなかったことは一度もありませんでした。借りる物件にもよるとは思います。
結婚や出産の問題
女性の場合、結婚を望んでも実現しづらい場合があります。特に婚活では、女性でも不利になることがあるかもしれません。
結婚後、出産を考えると、仕事を休んでからの復帰は、正社員に比べて不利な状況になるかもしれません。育児においてはさらに大変な状況が予想されます。
これらのデメリットは、フリーターの状況や個人の価値観によっても異なる場合があります。
正社員のデメリット
フリータとして働くと、収入面ではかなり劣ることが多いです。また精神的に不安になることもあり、正社員としての働き方や独立するなどの働き方はおすすめです。
しかしすべてが良いわけではなく、デメリットもあげておきます。
正社員の仕事とフリーターの仕事内容は同じだ、という意見がありますが、私の経験からは同意できないことです。一部の職場では似たような状況があるかもしれませんが、私の転職経験からはそうではありませんでした。
正社員の場合は、目標設定や評価面談による賞与の制度があり、また仕事以外の活動にも関わる企業も存在します。
私は正社員として働く中で、精神的に厳しいと感じることが多かったです。それでも正社員とフリータを比べたとき、正社員の方がメリットが多いです。
20代フリータ体験談
私は20代の頃、フリータとして過ごした期間があります。その大きな理由は、はじめての就職での選択を誤り、退職したことから始まりました。
働き続けた20代
20代はアパレル販売員の仕事をしながら、夜はアルバイトで働き続けました。東京で一人暮らしをしていたため、昼間の仕事だけでは生活ができなかったからです。
ときには睡眠時間が1日3時間しかとれず、月に1~2回しか休みがない月もありました。これは働きすぎでしたが、貯金をして学校に通うためでした。
でも、一度の就職失敗から、良い仕事が見つからずにつらい20代を過ごすことになりました。
周囲の人間関係にも悩まされ、不眠症や体調不良になってしまい、精神科に通ったものの改善しませんでした。当時は、心療内科が少なかったため、相談する場所も少なかったです。
20代は、人生の輝く期間と言われますが、私は暗い気分で過ごすことが多かったです。周囲の人間関係を見直して、自分に合った人たちと関わることが大切だと感じました。
みじめ
私の周りにいた、オフィスワーカー(事務職)として働く女性たちが輝いて見えました。しかし、私がフリーターとして働く姿は、その女性たちとは全く違いました。
自分の劣等感は日に日に募り、彼女たちと同じように働くことができない自分をみじめに感じていました。また、自分自身が選んだ職場や働き方にも後悔の念を感じていました。
結果として、私は自分を鼓舞することができず、20代の大半をみじめに過ごしてしまいました。
ネガティブ志向
仕事がうまくいかないと、ネガティブになってしまいますが、これは悪循環です。
私は自分のネガティブな思考だったため、特に婚活に関しては、自分が持っている否定的な考え方が私の出会いの幅を狭めていました。
「私にはダメな男性しか寄ってこない」という人がいます。私もそう思うことが多かったですが、これは自分に合った人を引き寄せた結果。
フリータからの脱出
私の場合はスクールや通信制度の大学、職業訓練を活用して、少しずつ理想の仕事に近づいていきました。


また、履歴書や職務経歴書の書き方を工夫することで、転職回数が多いことが不利にならないようにしました。
私が転職成功のきっかけとなったのは、職業訓練でのキャリアコンサルティングでした。


現在では、ハローワークや派遣会社でも無料でキャリアコンサルティングを受けることができます。これらの補助制度を利用することをおすすめします。
転職する際には、未経験歓迎の求人も多く、若者向けのものも多いですが、自分である程度の学習をしておくことで、転職がスムーズに進む可能性が高くなります。未経験でも、自分のやりたいことや興味のある分野について勉強しておくことが大切です。
若い女性に伝えたいこと
現代では、職種未経験やフリーターであっても、多くのチャンスがあります。
政府による正社員支援や、IT未経験者向けの就職支援やスクールなど、様々なサービスが提供されています。
フリーターや同様の状況にある人は、これらのサービスを利用することで、自信を持って就ける仕事に就くことができます。
悲惨なフリータから脱出する方法
フリーターから脱出し、より充実した職業や生活を目指すための方法についていくつかご紹介します。
ハローワーク
フリーター等の正社員化の推進を行っています。以下は具体的な支援です。
- わかものハローワーク等におけるフリーター等の支援
- 未経験の分野で無期雇用を目指す!トライアル雇用
全国に21か所ある「わかものハローワーク」や、200か所ある「わかもの支援コーナー」や「わかもの支援窓口」では、35歳未満の若者を対象に正社員を目指す就職支援を行っているので、これを利用するのも良いでしょう。
わかものハローワーク等におけるフリーター等の支援
- 通常の職業相談・職業紹介、求人開拓等
- 担当者制によるきめ細かな個別支援、模擬面接、履歴書・職務経歴書の作成指導、継続的な求人情報の提供、来所が途絶えた際の来所勧奨等
未経験の分野で無期雇用を目指す!トライアル雇用
未経験の分野への就職が不安な場合には「トライアル雇用」がおすすめです。
この制度では、最初の3か月間は試用期間として働くことができます。この期間に仕事内容や職場の環境を知ることができ、本採用への移行を目指すことができます。
スキルや知識の獲得
フリータを脱出するためには、必要なスキルや知識を身につけることが重要です。
自分の興味や適性に合わせて学びたい分野を選び、専門的なスキルや資格を取得することで、就職や転職の道が開けるでしょう。
副業やスモールビジネスを考える
フリーターのままである間に、副業やスモールビジネスを始めることも一つの選択肢です。
自分の得意なことや興味を持つ分野で、自営業やフリーランスとして活動することで、将来の自立や収入源を築くことができます。
キャリア相談を受ける
キャリア相談や就職支援サービスを活用しましょう。
専門のキャリアカウンセラーやキャリアコーチが、あなたの目標に合わせた進路や転職のアドバイスをしてくれます。適切なアドバイスを受けながら、脱出に向けた計画を立てましょう。
各派遣会社等には、無料のキャリアコンサルティングが受けられます。


まとめ
フリーターは、正社員に比べて安定した生活やキャリアアップの機会が少なく、将来に不安を抱える人も多いでしょう。
また、フリーターとして働く期間が長期化すると、正社員に転職することが難しくなることがあることも忘れてはいけません。そこで、フリーターとして働く上での注意点と、フリーターから脱出する方法を紹介しました。
まずは、フリーターであっても、働く姿勢やスキルを高めることが大切です。自分に合ったスキルアップや資格取得を目指し、努力することで、将来の転職や独立の可能性を広げることができます。
また、フリーターとして働きながら、自分のビジネスを始めることもできます。自分の得意分野を活かし、スモールビジネスを始めることで、収入源を増やすことができます。
ハローワークやキャリアアドバイザーなど、就職支援機関を活用することも有効です。自分の希望する仕事やキャリアアップの道筋を相談することで、自分に合った仕事や転職先を見つけることができます。
フリーターから脱出するためには、自分自身を高めることが大切です。将来のためにも、今できることを精一杯やり続け、諦めずに挑戦し続けましょう。
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